最も多い良性発作性頭位めまい症

頭の位置を変えると(主に立ったまま頭を下に向けると)めまいが起こる病気です。この病気も長引きます。めまいを訴える人のほぼ半数は「良性発作性頭位めまい」です。フレンツェル眼鏡を使った検査でわかります。耳の中にある小さな「耳石」が三半規管に入り込み、平衡感覚をつかさどる細胞を乱しています。不快な症状が何度もぶり返すことはあっても、良性というだけあって悪化しないのが特徴です。ほとんどの人は適切な運動・リハビリで耳石を取り除け、症状が治まります。抗めまい薬で症状を緩和させて、PPPDに移行しないようにリハビリをしましょう。

良性発作性頭位めまいのリハビリ「浮遊耳石置換法」

通常、耳鼻科の専門医の指導もとで行います。

もっと簡単に自分で行えるリハビリ法

※難しければ、以下のイラストの方法も試して下さい

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リハビリ法と薬物療法で改善が見られず、症状がおさまらず日常生活に支障をきたしている場合は、「持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)と診断される場合があります。近年では、抗うつ剤が多用されているようです。

2番目に多いメニエール病

メニエール病とは、ぐるぐると激しい回転性のめまいと難聴・耳鳴り・耳閉感の4症状が同時に重なる症状を繰り返す内耳の疾患です。内耳にある蝸牛(カタツムリ)の中の内リンパ液が増え過ぎる事が原因で、腎臓疾患でもあります。体の水捌けが悪い状態は「腎虚」と呼ばれ、様々な疾患を起こしてます。

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治療用のコンドロイチンを服用しましょう
(ドラッグストアの予防用ではなく)
当店までお越しください

持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)

え!?

抗うつ剤を使うの?

PPPDの診断基準(医師会報より)

持続性知覚性姿勢誘発めまい(Persistent Postural Perceptual Dizziness: PPPD)の診断基準

まず、PPPDの最初の診断基準は、2017年に国際神経耳鼻学会(Banany Society)で作られました。

PPPDの特徴

①長期間継続するめまい
②回転性めまいというより、不安定感・浮遊感が主症状
③朝より夕方に悪くなる
④じっとしているよりも、立ったり歩いたりすると症状が悪くなる

最新の診断基準はより詳しく規定しています。

PPPDは以下の基準A~Eで定義される慢性の前庭症状を呈する疾患である。診断には5つの基準全てを満たすことが必要である。

A.浮遊感、不安定感、非回転性めまいのうち一つ以上が、3ヶ月以上にわたってほとんど毎日存在する。

1.症状は長い時間(時間単位)持続するが、症状の強さに増悪・軽減がみられることがある。

2.症状は1日中持続的に存在するとはかぎらない。

B.持続性の症状を引き起こす特異的な誘因はないが、以下の3つの因子で増悪する。

1.立位姿勢

2.特定の方向や頭位に限らない、能動的あるいは受動的な動き

3.動いているもの、あるいは複雑な視覚パターンを見たとき

C.この疾患は、めまい、浮遊感、不安定感、あるいは急性・発作性・慢性の前庭疾患、他の神経学的・内科的疾患、心理的ストレスによる平衡障害が先行して発症する。

1.急性または発作性の病態が先行する場合は、その先行病態が消失するにつれて、症状は基準Aのパターンに定着する。しかし、症状は、初めは間欠的に生じ、持続性の経過へと固定していくことがある。

2.慢性の病態が先行する場合は、症状は緩徐に進行し、悪化することがある。

D.症状は、顕著な苦痛あるいは機能障害を引き起こしている。

E.症状は、他の疾患や障害ではうまく説明できない。

うつ病の症状の一種と定義される傾向

ぐるぐるめまいのメニエール病や頭を動かした時の良性発作性頭位めまい症と違い、脳過敏症候群(うつ病)、機能性ディスペプシア(急性胃腸炎)、過敏性腸症候群(IBS)などと同じ神経系疾患とされ、現在のところ、他の疾患同様に特効薬はありません。
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そのため、病院では抗うつ剤を処方する傾向にあります。

日本耳鼻咽喉科学会会報より
「PPPDに対するSSRI/SNRIに関しては、抑うつや不安症の有無にかかわらず有効であり、精神作用以外の奏功機序が考えられている。投与量はうつに用いられる量の半量程度で有効とする報告が多い。」

PPPDと診断され処方される抗うつ剤

最も処方されているSSRIがジェイゾロフト(セルトラリン)とのことなので、下記の添付文書をご覧下さい。

他にパキシル(パロキセチン)
レクサプロ(エスシタロプラム)
ルボックス、デプロメール(フルボキサミン)
また、SNRIではトレドミン(ミルナシプラン)
サインバルタ(デュロキセチン)が処方されているとのことですが、ジェイゾロフトと同様の添付文書です。
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ご覧頂いたようにリスクが高いです。

抗うつ剤を否定する研究結果が出ました

Gigagine  2022年7月22日

何より栄養をきっちり摂って運動する事が最も治療に効果的とのデータが出ています。恐怖心で体が思うように動かなくなっている状態ですが、できる範囲内で少しずつ運動の幅を広げていきましょう。

こんな場合もあります

脳脊髄液減少症

「脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)」は、交通事故やスポーツ外傷など、体への衝撃によって脊髄の硬膜が破れ、脳脊髄液が漏れだし、減少することによって、頭痛、頸部痛、めまい、耳鳴り、倦怠感、不眠、記憶障がい等のさまざまな症状を呈する疾患ですが、いまだに定まった知見や治療法が確立されていないため、国において専門家による医学的な解明が進められています。

このため、依然として多くの患者さんが、診療や治療を行っている医療機関を探すことに大変苦労している状況です。

硬膜外自家血注入療法(ブラッドパッチ療法)

診断はMRI検査やCT、RIなどの検査を行い、その結果、髄液の漏出が認められれば、「ブラッドパッチ」という治療も検討されます。ブラッドパッチは、髄液が漏れている付近に、採取した自分の血液20~30CCを腰や背中、首から注入し、漏れている穴を「かさぶた」をつくり閉じる治療法です。