アメリカで一時、感染者が増加したオミクロン株の「BA.4.6」系統について、これまで実用化されている一部のコロナ治療薬が有効だとする研究結果を東京大学などの研究グループが発表しました。 東京大学の河岡義裕特任教授らの研究グループは6月以降に一時、アメリカで増加したオミクロン株の「BA.4.6」系統について治療薬の効果を調べました。 その結果、国内で承認を受けている「レムデシビル」「モルヌピラビル」「パキロビッド」の3種類の抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑制する効果が従来株と同じ程度あることが分かりました。 一方、「ロナプリーブ」「ソトロビマブ」「エバシェルド」の3種類の抗体薬では従来株と比べてウイルスの細胞への感染を妨害する効果が低かったということです。 抗体薬のなかでも、アメリカで使用が許可されている「ベブテロビマブ」は従来株と同じ程度の効果が確認されました。 河岡特任教授は「今後も新たな変異株が出現した際には、抗体薬や抗ウイルス薬の効果を調べていく必要がある」としています。 そのうえで、ヨーロッパやアメリカなどで増加傾向にある「BQ.1」系統についても現在、分析を進めていると明らかにしました。